学府の理念・ポリシー
学府の目標と特色
世界規模での持続型社会構築を先導する環境・エネルギー問題の解決に貢献できる理工系人材の育成ニーズ増大、従来型の学際教育では対応しきれていない専門分野の深化と学際分野の広がり、急速に発展している情報科学の専門分野での応用の広がりに合わせて教育内容が拡大することや、この先も変化し続けるであろう状況に対応する人材の育成を強力に推進することを目指し、総合理工学府では令和3年度からこれまでの5専攻から総合理工学専攻の1専攻に集約し、その中に6つのメジャー(専門領域)を設ける体制を取っています。
本学府では、専門力、俯瞰力はもとより、情報応用力、実践力としての学修継続力、産学・国際連携力、課題発見力、計画・指導力、多様性対応力に秀でた人材の育成を図る柔軟なカリキュラム編成を取っています。環境・エネルギー問題の解決には、高度な専門力に加え、多様な基礎学力や情報応用力など複数の学問分野の知識が求められます。また、複雑でグローバルな今日的課題を解決するためには、世界中の同分野・異分野の研究者・技術者と議論できるコミュニケーション能力が必要となります。本学府では、そのような能力を備えた研究者や技術者の育成を行います。
本学府の教育研究目標を約言すれば、「未来を見据えた物質・エネルギー・環境を融合した学問体系の構築とそれを身につけた人材の育成」となります。このような教育研究目標を掲げた大学院教育組織は、国内はもとより世界的に見ても例がなく、その成果は今後の人類社会に大きく貢献するものと期待されます。
学府の生い立ち
総合理工学府の前身である総合理工学研究科は、物質・エネルギー・情報を三本柱 として、学際的分野の研究教育を行うことを目的に、全国に先駆けた大学院だけの独立研究科として昭和54年度に発足しました。発足当初は、材料開発工学、分子工学、エネルギー変換工学、情報システム学の4専攻でしたが、その後、昭和59年度に高エネルギー物質科学専攻を設置、昭和61年度に熱エネルギーシステム学専攻(昭和56年度設置)を工学研究科より移行、平成2年度に大気海洋環境システム学専攻を設置、と充実発展を遂げてきました。なお、情報システム学専攻は九州大学大学院重点化計画のなかで、システム情報学研究科の設立に参加することになり平成8年に廃止されました。
総合理工学研究科は、設立以来20年以上にわたって学際的分野の教育研究に先導的な役割を果たしてきました。その間、社会構造は高度成長・開発型から、地球環境の保全を強く意識した環境共生型へと大きく転換してきました。総合理工学研究科においても、新産業のシーズ形成、新エネルギーの開発や省エネルギー技術開発、環境保全を目指す教育研究に力を注ぎ、社会的要請に応えて来ましたが、より明確な形で環境共生型社会を支える人材を育成するための大学院教育研究体制を構築するため、平成10年度に抜本的な専攻の再編成を実施し、量子プロセス理工学専攻、物質理工学専攻、先端エネルギー理工学専攻、環境エネルギー工学専攻及び大気海洋環境システム学専攻の5専攻体制を発足させました。
平成12年度からは、九州大学の研究院制度への全面的な移行の結果、大学院総合理工学研究科は研究組織としての大学院総合理工学研究院と大学院教育組織としての大学院総合理工学府にわけられました。その結果、総合理工学府は総合理工学研究院、応用力学研究所、先導物質化学研究所(平成15年度より、機能物質科学研究所と有機化学基礎研究センターが融合・再編成)、および寄附講座と若干数の学外からの連携講座とで構成される大学院教育組織と位置づけられました。
令和3年度からは、工学部・工学系学府の改組に伴い、総合理工学府では学際性を極めて地球規模の環境・エネルギー問題の解決に貢献する人材育成の自由度を一層高めるために5専攻体制を再編成し、1専攻6メジャー(専門領域)の体制を発足しました。
教育研究上の目的
本学府は、物質、エネルギー、環境及びその融合分野における環境共生型科学技術に関する高度の専門知識と課題探求・解決能力を持ち、持続発展社会の構築のためにグローバルに活躍できる技術者や研究者となる人材を養成する。
アドミッションポリシー
●求める学生像
広く全国の大学や高専専攻科、外国の大学出身者及び職業経験者で、物質、エネルギー、環境をキーワードにした環境共生型科学技術に強い興味と問題意識を持ち、十分な学力と勉学意欲を備えた学生を求めています。
●入学者選抜の基本方針
広く全国の大学や高専専攻科、外国の大学出身者及び職業経験者で、物質、エネルギー、環境をキーワードにした環境共生型科学技術に強い興味と問題意識を持ち、十分な学力と勉学意欲を備えた学生募集を基本方針としており、修士課程では一般選抜において大学院での勉学に必要十分な学力を備え、特に、主体性・多様性・協働性に優れた者の選抜を対象にした口述試験を取り入れている他、学部3年次在学生対象の特別選抜、外国人留学生特別選抜を実施しています。また、博士後期課程にあっては、一般選抜の他、社会人選抜(4月、10月入学)、外国人留学生特別選抜(10月入学)を実施しており、いずれも希望研究室での勉学に高い意欲と適正を持つ人に門戸を開放しています。
募集要項は総合理工学府ホームページ(http://www.tj.kyushu-u.ac.jp/ )でご覧になれます。
カリキュラムポリシー
●教育プログラム
◇教育課程の特色、内容・方法
本学府では、環境共生型科学技術に関する高度の専門知識と課題探求・解決能力を持ち、持続発展社会の構築のためにグローバルに活躍できる技術者や研究者を養成し、社会に輩出するため、授業科目を系統的かつ有機的に整備すると共に、シラバスシステムを充実させています。また、講義内容、講義の進め方、成績評価基準、学習相談等について学生に公表し、個々の学生に対し公平かつ手厚い教育を行っています。成績評価はS, A, B, C, Fの5段階評価で行っています。
◇修了要件、成績評価基準・評価方法等
○修了認定・学位授与に関する方針
本学府において、所定の期間内に所定の単位を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上論文審査及び最終試験に合格した者に対し、学位を与え、課程修了を認定しています。
ディプロマポリシー
本学府において、所定の期間内に所定の単位を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、論文審査及び最終試験に合格した学生に対し、学位を与え、課程修了を認定します。課程修了学生は、物質、エネルギー、環境及びその融合分野における環境共生型科学技術に関する高度の専門知識と課題探求・解決能力を備えた技術者や研究者であり、持続発展社会の構築のため社会においてグローバルに活躍できる人材です。