構想の概要

概要

本事業は、九州大学総合理工学府学が平成27年度まで遂行してきたキャンパスアジア事業による「エネルギー環境理工学グローバル人材育成のための大学院協働教育プログラム」を引継ぎ、
(1)これまでに構築してきた「エネルギー環境理工学分野で、修士課程の標準修学年限内(九大と釜山大では2年、上海交通大では 2.5年)で、半年の留学により質保証を備えたダブルディグリー(DD)が得られるパイロットプログラム」を高度化/制度改良した上で正規プログラムとして定着/恒常化する
(2)プログラムの一環であるサマースクールや国際研究セミナーをオープン化することにより、より多くグロ-バル人材の涵養をはかると共に、キャンパスの国際化、グローバル化に貢献する、
(3)博士課程でのDD又はジョイントディグリー(JD)が取得できるプログラムを新たに構築する
ことをめざしています

背景

エネルギー確保と環境保全は、人類永遠のテーマです。世界各国がグローバルなエネルギー環境問題の重要性の認識を共有し、イコールパートナーシップのもとで協働して教育研究と技術開発に取り組むことが必要で、高度研究者・技術者の育成を責務とする大学院においては、この分野を先導しグローバルに活躍できる人材の育成が使命です。とりわけ、アジアは急激な経済成長、エネルギー消費の急増と、その結果としての環境汚染が深刻化しており、日中韓の大学が連携して、将来、エネルギー環境理工学分野の高度研究者・技術者となり得る優秀な大学院生への教育とグローバルに活躍できる人材育成の協働教育プログラムを共同開発して、エネルギー環境問題への取り組みを「アジアから世界に」発信することは、極めて有意義なことです。

内容

本構想の中心となる九州大学大学院総合理工学府では、平成20年に採択された環境負荷なき炭素資源利用の21世紀型パラダイムの構築と人材育成に取り組むグローバルCOE「新炭素資源学」を中心に、中国、韓国等の大学と双方向型研究・教育交流の中で優秀な若手研究者の人材育成を行ってきました。
このような実績を基に、本構想では、エネルギー環境理工学分野において、将来グローバルに活躍できる高度研究者・技術者(エネルギー環境理工学グローバル人材)を国際連携の下で育成するためのダブルディグリー理工系大学院協働教育プログラムを、九州大学(日本)、上海交通大学(中国)、釜山大学校(韓国)が学位の質の堅持などの質保証を考慮して共同開発し、本格的に実施することを目的としています。
本構想では
(1)専門分野の深い知識の修得とそれに基づく研究開発能力、
(2)エネルギー環境問題の現状の理解と発展的考察力、
(3)グローバルに活動するのに必要な英語力、
(4)グローバル化時代に求められる研究者・技術者倫理、異国の文化・人・社会の理解
を備えた「エネルギー環境理工学グローバル人材」の育成です。

このためエネルギー環境理工学(Energy and Environmental Science and Technology) 分野において、九州大学、上海交通大学、釜山国立大学校の3大学が協働して、半期の留学により、母大学と出身大学との両大学の修士課程で修士課程修了及び学位取得が可能となるダブルディグリープログラムを構築し、平成29年度末までに、70名を超す学生がダブルディグリーを取得修了しております。

効果

本事業で開発するダブルディグリー理工系大学院協働教育プログラムにより、エネルギー環境問題を解決するための深い専門性と国際的な応用展開能力を兼ね備え、エネルギー環境問題の解決に貢献できる「エネルギー環境理工学グローバル人材」を育成することが可能となります。また、産業のグローバリゼーションが進む中で、本プログラムに参加した学生のグローバルなキャリアパスの拡大が可能となります。

今後の展開

本事業において日中韓大学コンソーシアムで新たに設計・開発するサマースクールを利用した協働教育プログラムを国内外の大学へオープン化することや、博士課程への拡大を見据えた研究留学生の相互交流と共同した博士学位の授与方法を開発すること等により、将来的に、この日中韓大学コンソーシアムを更に展開していきます。
さらに、現在はまだ各国の法律では認められていませんが、共通のアドミッション/カリキュラム/ディプロマポリシーをもつ国際連携大学院の設立を目指し、共同で一つの学位(joint degree;共同学位)を授与するシステムを追求するとともに、広く他のコンソーシアムに展開・普及できる理工系大学院協働教育システムを構築します。