修士・博士課程で学ぶということ
コースワーク中心の学部4年間
大学の学部4年間は、講義に出て試験を受け、単位を取るという、いわゆるコースワークが中心です。これにより、皆さんは教科書などの書籍として整理された既に明らかにされている様々な学問分野の知識を体系的に学びます。
そして学部の最後の1年間、卒業論文研究を通じて、3年までに学んだ知識をベースとして、初めて未知の問題の解決に取り組みます。この研究活動こそが、大学で学ぶ事の醍醐味です。
誰も解き明かしていない問題、産業界において未解決の工学上の課題に対して、仮説を立て、実験やコンピューターシミュレーション、思考実験など様々な方法で、何か新しい解法・知見を見つけ出し、それを卒業論文の形で取り纏める作業です。
大学受験までのテスト対策のための勉強、学部3年までの単位を取得するための勉強とは全く異なる、知的体験が出来る貴重な1年間です。
修士課程:より深い専門知識と研究の方法論を修得する
修士課程の2年間は、コースワークを通じて学部に比べより専門的で高度な知識を学ぶだけでなく、修士論文研究を実施する事を通して、未知の問題にチャレンジする『研究』という営みにおける方法論を修得します。問題や課題の特定、関連分野の研究動向の関連、問題へのアプローチのための手法の会得、仮説の検証方法、研究成果のまとめ方など。
こうした一連のプロセスは、研究だけでなく、産業界において日々必要となる大小様々な問題解決、大局的視点に立った戦略策定に対する基礎トレーニングでもあります。
九大総理工では、多くの学生が修士課程の段階から、恵まれた設備を使い、知識経験豊富なスタッフの指導の下、世界最先端の研究を自ら行っています。修士の段階であって、自身の研究成果を英語の論文にまとめ、国際的なジャーナルで発表している学生も多くいます。
そうした環境に惹かれ、九大だけでなく他大学や高専専攻科からも、もっと本格的な研究をしてみたい、学びたい、新しく先端的な環境で勉強したい、という意欲を持った学生が九大総理工には集まっています。
なお、特に研究の道に強い希望を持つ九州大学の学生については、飛び級により学部4年をスキップして直接、修士課程に進学する道も用意されています。
博士後期課程:
世界最高水準の研究環境で我が国の科学技術分野を牽引する力を身につける
以前は、博士後期課程と言えば、狭い専門分野を深掘りする職人的な学生のための場所だと考えられる傾向にありました。しかし、近年の博士後期課程の学生数の増加と軌を一にして、その社会的な使命や位置づけは大きく変わってきました。
九大総理工は現在、以下のような博士人材像を念頭に教育を行っています。
- ✔ 物質・エネルギー・環境など学生各人の主専門の高度な知識
- ✔ 専門分野の周辺融合分野などの知識を含む俯瞰的・大局的視野
- ✔ 能動的・自律的に課題を発券し解決する能力(研究力)
- ✔ 産業界やアカデミックで幅広くグローバルに活躍できる語学力・プレゼン
・コミュニケーション能力